情報の確かさについて

いわく、内容が浅い、取材をしていないなどという批判を受ける。
健康食品について調べていくと、いちばん気になるのはどのくらい効果があるかということだ。
その効果を調べるには、公開されている情報を丹念に調べていくしかない。
公開されている情報は、メーカーのホームページで調べる方法もあるが、これは自画自賛の可能性がある。
そこで、論文になっているものを探すことにした。論文は、さまざまな学会から発表されているが、それぞれの学会には論文審査の基準があり、査読といわれる専門家によるチェックが行われている。こうした客観的な評価があって、掲載されていく。
そこで、論文検索という方法をとった。
論文検索サイト(有料)から、関係する論文を拾い集め、見ていった。プリントしたものは、机上に重ねる20センチ以上の厚さになっただろうか。
内容は、専門用語は多く、噛みくだくのには苦労したが、いろいろなことがわかった。
さらに、ひとりで行う論文検索には、限界があるので、国立栄養研のデータベースに当たってみた。
わたしのスタンスはいいものがあれば、紹介したい。悪くいうよりもいいものを評価したいというものである。

かつて、論文検索ができなかったとき、学会にこまめに顔を出し、発表を聞いたり、学会誌を購入したり、学会に行けない場合は医学部系の大学の図書館で調べたりした。親しくさせていただいた先生から入館章を拝借して。
いまは、インターネットを駆使して、日本だけでなく、海外の論文も検索できるようになってきた。
東日本大震災が起きたとき、日本の論文検索サイトも海外のサイトも、有料のところが災害関係者には無料になった。
最新の情報を得るにも、いまや論文サイトは欠かせないものになってきている。

論文検索の成果は、『民間療法のウソとホント』(文春新書)をお読みください。