病院を選ぶ

 わたしなりの病院・医院選びの方法をお教えしよう。
 近くに病院はひとつしかないというなら選ぶことはできないが、医院やクリニックなら、いくつはあるだろう。その中から選ぶことができる。
 まず、こんな外観がいいといいたいところだが、医院やクリニックでは格別なものが少ない。外から見てなんとなく温かそうな雰囲気が感じることができればいいだろう。
 中に入ってみて、いちばん最初に感じるのは、これも雰囲気だろう。外観と同じく明るい雰囲気があるだろうか。暗い待合室はダメ。明るい日差しが差し込んでいて、待合室全体が温かな雰囲気があればいい。病気になった人がほっとするところが待合室である。お年寄りが、楽しそうに話し込んでいる待合室は最高。
 次に、受付の人が患者を見ているか。患者を見ずにただただ忙しそうに事務的に働いているようでは、患者中心とはいえない。たとえば、苦しそうな患者を見て、すぐに対応できなければいけないし、患者の状態をみて判断が必要になる。診察券や薬を受け渡す、小さな窓と診察室の入り口だけがあるような待合室は、もう少なくなっているだろうが、少なくとも患者を見ることができるようになっていなければならない。
 待合室に雑誌や本が置いてあるところが多い。健康や医療に関係のある本があり、それを貸し出しているというなら、患者の体のことを考えていると思える。
 いちばん大切なことは、受付をはじめ、待合室のスタッフが患者のことを考えているかである。わたしの通っているクリニックで、帰ろうとするお年寄りの患者に、受付の女性が、家に着いたら、必ず電話をほしいといっていた。聞いていると、普段は娘さんが付き添いでいっしょにくるらしい。このときは、ひとりできたのだが、家に無事で帰ることができるかどうか心配らしい。そこで、電話をかけてくださいね、とくり返しいっていた。こういう心遣いをしてくれるクリニックなら、素晴らしい。