2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

命の受け渡し

…そのとき、子どもたちは、 「お父さんの最期を家で看る」 といった… 『生死』(いきたひ)―家族で看取る―というドキュメント映画の中の話である。 映画に登場するのは、47歳で耳下腺がんで亡くなったお父さん。 高校生ひとり、中学生ひとり、小学生ふたり…

いま生きている、わたしは。

不意に訪れる死もある。 予想すらできない死もある。わたしの親戚で、からだにも自信があり、健康診断でも異常も見られず、こういう人は長生きするだろうと思われていた方が、船上であっけなく逝ってしまった。 残された家族は、その死を受け入れることがで…

死ぬ場所は選べるが、死ぬときは選べない

この話を聞いたとき、わたしは彼女と覚悟について話していた。 覚悟、それは「人は死ぬ」ということ。 しかし、ひとりで死ぬわけではない。 葉室麟の『蜩ノ記』の最後に近い場面を思い出して紹介していた。 江戸時代より昔、賜死(しし)という制度があった…

なま悟りとは

「このままではおばあちゃんを恨みます」 家をはなれ、たまに正月に帰ってくるくらいで、ほとんど行き来のなかった長男がいった。 大腸がんの末期と診断を下されたときのことだ。 彼女は地方の旧家に嫁いだ。 嫁ぎ先を知った祖母は、 「タンス一段分のむつき…

ひとくち30回で老化が防げる

編集者として仕事をしていたとき、よくいわれたのは、「食事は早くしろ」ということです。 仕事を一から教わった上司は、月刊誌や週刊誌を何誌も創刊してきた人で、いつも締め切りに追われてきたので、食事時間も切り詰めていたのだと思います。 その教えの…