透析医療をやめるということ。

最近のニュースで気になったのは、公立福生病院で行われたとされている透析中止です。わたし自身が透析患者なので、より切実な問題と感じます。 わたしは腹膜透析という自宅でする透析を行っていますが、毎月主治医の診察を受けるために病院の透析室に入りま…

薬について

痛みに関する講習を受ける。 内容は、目新しいものはないだろうと、思っていたが、個別の相談にのってもらえたのがうれしい。 痛み止めはたくさん出ている。 それだけ需要もあるはずだが、知らずに知らずに飲んでいると、副作用が怖い。 知らず知らずに飲ん…

伴走のゼッケンの陰に

皇太子さまが昨年の夏、パラリンピック銀メダリストの伴走をしていたことがわかった。来年5月1日の新天皇即位まであと半年。「国民の中に入っていく皇室」を目指す新しい天皇像の一端が見えてきた。 6月26日夕。木々に囲まれた東京・赤坂御用地。 「走…

うまいものに出会った

今年の冬、いままで食べていたものはなんだかのか、という衝撃に襲われたものがある。 それはイチゴである。 イチゴは別に目新しい食べものではない。 スーパーなどでもよく見かける。 いままで購入していたものと、大きく異なり、甘さ、みずみずしさ、香り…

先日、ある新聞記事に目が留まった。 音楽家の坂本龍一氏のインタビューである。 タイトルに、 『痛みに涙、坂本龍一の治療 がんの究極の原因に気づいた』 とある。 いわゆるがんの闘病記のひとつかと思われたが、読んでいくとわたしとよく似ている。 彼はの…

エンディング医療のコスト

「最後の1カ月間の延命治療はやめませんか?」――。文芸誌「文学界」(1月号)に掲載された若手論客の対談が、ネットなどで波紋を広げました。財政危機の中で終末期医療にはお金がかかっている、との認識があったようですが、実際はどうなのでしょう。また…

放射線治療の内容

まず、放射線治療とはどういうものか、専門家の意見から。 「私は診療放射線技師ですが、診療放射線技師の仕事は幅広く、胸部X線撮影(レントゲン)から始まり、手足の撮影など簡単なものから、CT、MRI、血管撮影(心カテ、脳など)撮影部門があります。次に…

伴走者か伴奏者か

先日、知り合いの精神科医と会った。わたしのFM番組への出演を依頼したのだが、どんな内容にしようかという相談だった。 わたし自身、がんになり、さらに原因不明の痛みに襲われ、精神的にかなり追い込まれていた。 自分では、がんの原因を究明するぐらいの…

新しいブログかな

先日来、医療ジャーナリスト蒲谷茂の日記を更新しようと、ブログを書こうとすると、いつものように、記事を書くというコーナーがなくなっている。 どこに更新すればいいのか、まったくわからなくなり、50万以上の読者の方々には申し訳ないが、このブログもい…

改めてことしもよろしく

1月1日発行の八ヶ岳ジャーナルに、以下のようなコラムを書かせていただきました。 あけましておめでとうございます 遠くに住む家族も、近くに住む親せきなども集まって、新年を言祝いでいることでしょう。 こうした穏やかな日々が訪れるのも、お正月の楽しみ…

とらわれる

病気に対して、前向きになろう。 病気に負けていないか。 そんなことをかみさんからいわれている。 確かに、前向きでない自分がいるし、病気に負けているような気もする。 健康なときは、自分のからだは自分の自由になると思っている。 食事や運動に注意すれ…

誰もが悩むのでは

自らのからだの状態(QOL)に合わせて治療を選択したいと述べました。 現在、わたし自身のQOLで問題なのは、なんといっても痛みです。 原因がはっきりわからないので、痛みを伝える神経に作用する薬を使っています。そこで、主治医と相談して、痛みをできる…

QOLも自分で

QOLという言葉を聞いたことがあるでしょう。 クオリティー・オブ・ライフの略です。 「人生の質」という意味になりますが、これではよくわかりません。 医学的には、患者さんの人生をどのように考えるかということです。 だいぶ昔の話になりますが、わたしが…

闘う医療と寄り添う医療

テレビの再放送の『ドクターX』で、アメリカの女性外科医がかつて研修できていた日本人の外科医を訪ねてくるという内容のものがあった。 その女性外科医は非常に優秀だったのだが、手術中に手がふるえ、患者の命を危険にさらし、訴えられ、医師としての自信…

いましなければならないこと

「ボーっと生きているんじゃねーよ」という過激な言葉(?)で、大人たちをたしなめる5歳の女の子がテレビで話題になっています。 番組の中の話ですが、いわれてみると確かに、ということも多く、わたし自身も思わず反省してしまいます。 ところで、わたしも…

不健全な肉体 2

健全な肉体に健全な精神が宿るという「言い伝え」が間違いであると述べました。 健全な精神と健全な肉体の間には、相関関係はないと。 これに対し、ある人から 「健康を害するとネガティブな考えを持つ人もいます」 というコメントいただきました。 これは確…

不健全な肉体

健全な肉体に健全な精神が宿る、といわれます。 しかし、もともとは「人間が神に願うのは、健全な精神と健全な肉体である」というものだそうです。 健康な体、健全な精神を大切にしようという程度でした。 「宿る」という言葉はありません。 健全な精神は健…

FM八ヶ岳

地元のFM局、FM八ヶ岳で番組を持って、12年目に入りました。 毎週水曜日、45分ほど話しています。途中耳休めに音楽が入ります。流す音楽はおもにジャズ。 第2水曜日はお休みです。 おもに医療・健康情報ですが、原稿を書くことと違い、話は飛んだり、跳ねた…

痛み止めを使う

下腹部の痛み止めをもらいに病院に行った。 この痛み止めは、腎不全の人によく使われるもので、胃腸障害を起こさない。 授乳している人、小児にも使われるもので、副作用が少ない。 痛み止めは、あまり積極的にはとりたくないが、この薬はそれほど大きな問題…

まあ、まあ、です

腹膜透析をはじめる前の検査で、鼠経ヘルニアがあると指摘されていましたが、 透析を阻害するほどではないということではじめました。 はじめたころはまったく痛みもなく、よかったのですが、 がんの手術を受け、さらに再発が疑われ、放射線治療も受けました…

命とは

命とは、何か。 こんなことを考えたのも、がんのおかげか。 放射線治療による副作用、排尿痛がなくなり、 さらに内視鏡、CT、MRI検査の結果、がんは見つからず、 経過観察となったのだが、治るものもあるけど、徐々に進行していくものもある。 放射線治療に…

様子を見ましょう

放射線治療が終了し、がんの状態はどうなっているのか。 内視鏡検査、MRI、CT検査を受けた。 内視鏡検査では、膀胱の内部に少し膨らんだところがあり、医師は気にしていた。 さらに、膀胱の出口付近に炎症があった。これは放射線治療による副作用と思われる…

自分のからだを守るために

副作用といっても、いろいろあります。誰もが思い浮かべるのは薬ですね。 風邪薬の中には眠くなるものや痛み止めにも胃腸の具合が悪くなるものがあります。 こうした経験から、風邪薬を飲んだ後は車の運転は控えるようにいわれます。そして、痛み止めといっ…

八ヶ岳ジャーナル

地元で発行されている八ヶ岳ジャーナルというタブロイド判の新聞に連載をもっています。 八ヶ岳ジャーナルは、毎月2回の発行です。 新聞の折り込み広告と同様の扱いですが、山梨県の地元紙や全国紙では、 なかなか扱わない八ヶ岳南麓の地域の情報が掲載され…

がんは気づきの病

がんになって知ったのは、「がんは気づきの病」だということ。 何に気づくのでしょうか。 いちばん大きなことは寿命に気づいたこと。 なんとなくいまの高齢者のように80歳、90歳と長生きできるだろうと思っていたのだが、 そんなに長生きすることはできない…

負けないで

がんにかかった。 いくら注意しても、がんを完全に防ぐことはむずかしいと思い知らされた。 なぜがんになったのか、といろいろ考えたこともあったが、 わたしの場合、自覚症状というようなものはまったくなかったし、 腹膜透析ができているかどうかを確認す…

放射線治療の効果は

放射線治療は、本日で14回目、あと16回。 既定の治療回数の約半分まできた。 全部で30回受けるわけだが、最初かなりの回数だなと感じたが、それもあと半分。 週のはじめに、医師の診察があり、現状を報告する。 排尿時痛はあるが、そのときだけだし、腹膜透…

毎回ミリ単位で調整

4月半ばから、放射線治療を受けている。 膀胱の外側に発見されたがんはまだ局所にとどまっているので、放射線治療が有効と判断された。 がんに放射線を的確に当てるために、まずCTで患部を確認する。 次に毎回同じ個所に当てるべく、からだを固定するために…

再発と放射線

4月の初めに、CT検査と膀胱内視鏡による検査を受けた。術後3か月の検診である。 尿管がんの摘出手術は、うまくいったと説明されていた。 がんは取り除けたし、合わせてとった周囲の組織から、がんは見つからなかった、と。 担当の医師からは、「放射線の治療…

帰るところはどこだろう

90歳を過ぎた義父といっしょに暮した。 義父はごく軽いと思われるが、年齢なりに認知症になっていた。 東京の家は、義父がはなれた後、義理の姉夫婦も去り、無人となっていた。 義父は、それこそ身の回りのものだけを持って我が家にやってきたので、必要な…