2009-01-01から1年間の記事一覧

市立病院の崩壊を防ぐために

常勤の内科医が退職し、市立病院の崩壊がはじまろうとしている。新たに医師を招聘するのは簡単なことではない。市内の開業医が自らの休日を返上して、助っ人として外来に参加しているが、新型インフルエンザの流行もあって、診療の状況はますます困難になっ…

医師がひとりやめただけで

いまわたしの住んでいる地域は、山梨県の13%に相当するくらい広い地域で、市立病院がふたつある。これだけの広い地域をカバーするには、市立病院がふたつあっていい。 そのひとつの病院で、内科の常勤の医師が退職した。常勤の医師がいなくなったというこ…

365日を過ぎて

このブログを書き始めて365日が経った。約4年で達成した。 毎日書いている人なら、あっという間の1年というだろうが、わたしの場合は4年である。4年という年数を数えるとじつにいろいろなことがあった。 出会った人もいれば、去っていった人もいる。 …

マグネット・ホスピタル続き

以前このブログでマグネットホスピタルについて書いた。 医療従事者だけでなく、患者も惹きつけてやまない病院のことをいう。 わたしの住んでいるところから、少しはなれた病院は、ベッド数が149床の病院だが、常勤の医師が27名。 いちばん近くの市立病…

何もできなかった

年下の友人が亡くなった。 奥さんが電話で知らせてくれた。 鬱と躁をくり返す双極性障害だった。 彼が電話をかけてくるのは、躁状態のときもあったが、ほとんどはやや落ち着いているときだった。 最期の電話になってしまったが、そのとき、自分の病気や仕事…

ときの移ろい 命の輝き

長野の梅野記念美術館で、「稜線の風のごとく 犬塚勉展」を見た。稜線というように、南アルプス、谷川岳、奥多摩の渓谷など、山の景色を面そう筆といわれる細い筆を使って細密に描いている。 わたしは、山の景色より、こんもりと茂った草むらから日が差し込…

「ちょいやせ」の極意

「ちょいやせ」がいいと訴えている。 体重のわずか5%やせる、これでいままでなかなか改善されなかった中性脂肪、コレステロールをはじめ、血圧、血糖値がよくなる人を見ている。 これを実際の外来で体験されたのが、順天堂の白澤卓二教授。メタボ外来をや…

「ちょい太」より「ちょいやせ」

ちょっと太っていたほうが長生きするという。 しかし、ちょっと太っているといっても、人によっては、その「ちょい太」肥満が糖尿病をまねく場合もある。 とくに、日本人の場合、太っている人が糖尿病になるのではなく、やせていても糖尿病になる可能性が高…

月の水 ごくごく飲んで 稲を刈る

今年は、夏が夏らしくなく、稲の実りも心配だったが、お盆明けから9月に入って晴天が続き、まあまあの出来となった。 少し、いもち病が出て、実が入っていないものもあり、収量は昨年より落ちるだろう。また、稲刈り間近に台風に襲われ、稲がだいぶ倒れてし…

月曜日は間食をしない

『きょうの健康』10月号を見ていたら、「…だけ」でも効果あり!という特集が組まれていた。 「…だけ」というのは、「ゆっくり食べるだけ」でやせられる、「よく噛むだけ」でやせられるというように、ひとつをするだけ、もしくはしないだけで、からだの状態…

承認を急いでほしい薬

ペラミビル。これがその薬である。 ペラミビルは、ウイルスの増殖を防ぐ働きがあり、アメリカの製薬会社によってインフルエンザ用の抗インフルエンザ薬の筋肉注射薬として開発された。 日本の製薬会社が、点滴薬として作り直し、日本、韓国、台湾で臨床試験…

インフルエンザ対策

日本感染症学会が、9月15日に新型インフルエンザにかかった人が重症化しないために、持病のない人や子どもたちに対しても、早めにタミフルなどの抗インフルエンザ薬を投与すべきという提言を発表した。 WHOは、持病のない成人に対しての投与は不要とし…

健康手帳

健康手帳をつくろうと思っている。 わたしが住んでいるところには、市立病院がふたつある。診療所もいつかあって、無医村ではない。歩いていける距離にはないが。 1次医療といわれる診療所はあるし、2次医療を支える市立病院もある。 しかし、その実態は、…

「がん」はいい病気

いいタイトルだな。 わたしの尊敬する医療ジャーナリスト丸山寛之さんの本のタイトルだ。 丸山さんに出会ったのは、わたしが駆け出しの健康雑誌の編集者だったころ。 『この酔狂な医者たち』という本を読んで、文章がとてもよく、わかりやすいだけでなく、ユ…

虹立ちて雨逃げていく廣野哉

高浜虚子の俳句である。 昨日は、あまりにもよい天気だったので、小諸へ行ってきた。休日は人も多くなるので、出かけないようにしているのだが、すばらしい晴天に誘われてしまった。 小海線に乗り、終点の小諸まで小旅行の気分を味わった。 左手に見えていた…

それは生前葬のようだった

こういう書き方は不謹慎と思うが、昨日パーティに呼ばれて、お祝いを述べている人たちの話を聞いていたら、そんなことを思った。 だいぶ昔、いまほど簡単にお医者さんもテレビに出てくれなかった時代、お医者さんを紹介するような番組をつくれないかと知り合…

「シッコ」を見て

先日、マイケル・ムーア監督の『シッコ』をまた見た。これで3回になるのが、アメリカの医療保険事情がじつによくわかる。まだ、ブッシュが大統領をしているころの映画だが、現在もアメリカが何も変わっていないことに驚く。 オバマ大統領に代わり、公的な保…

30兆円

仕事で日本胃癌学会のサイトを見ていたら、『日本の医療費』というサイトがあって、なんとなくクリックしたら、それは、外科系学会社会保険委員会連合というサイトで、おもに日本の外科系の学会が加盟している。この団体は、保険診療報酬点数が、どのような…

何か気になる

気になる本、気になる雑誌がある。 近くに行きつけになるような本屋がないので(そもそも近くに本屋がない)、図書館に行くことが多い。 図書館では、いままで読んだことのない著者の本を読むようにしている。 買わないなら、いままで読んだことのない人を、…

この天気ではやせません

本当にうっとうしいとはこのことか、といいたくなるような空模様。 わたしの住んでいるところは、日本一日照時間が長いといわれる地域である。正確には、北杜市明野(合併前は明野村)なのだが、同じ八ヶ岳南麓で車で十数分のところだから、わたしのところも…

なかなかやせない

やせたいといっていたのはカミさんだが、じつはわたしもやせようと思っている。 やせる本を書いているのだが、その内容にあわせて自分でもやってみようと。 間食をやめる、ゆっくり食べる、体重を測る。 この三つだけ。 ところが、間食がやめられない。ちょ…

10以上の数

井上ひさしさんが、だいぶ前の話だが、オーストラリアの原住民アボリジニーの言葉に感心して、あるエッセイを書かれていた。 それは、アボリジニーは数を数えるときに、10までしか数えないという。10以上はたくさんというらしい。羊を数えていても、10…

やせるために

カミさんが、お父さんといっしょに暮らしていたときはやせていたのに、と少し嘆いている。面倒を見なければならない人と暮らすのは、けっこう体力も使うし、神経も使う。 そんなわけで、やせていたのだろう。 気を使わなくてすむ(?)わたしと、ふたりだけ…

緑がみるみる濃くなっていく

東京に打ち合わせに行く。今回は、デザインの打ち合わせなどで、久しぶりにバスの中でも資料も読まない。音楽を聴きながら、バスの窓から山々の緑を見る。 濃い緑が目立つ。新緑の、若々しい、新鮮な緑もいいが、たくましい緑もいいものだ。 緑のグラデーシ…

田植えとクイーン

ようやく田植えのシーズンが終わった。 コシヒカリ、餅米、黒米と3種類の米を5枚の田んぼに植えていく。 黒米は手植え。コシヒカリ、餅米は機械で植えるが、わたしたちが使っているのは、乗用の4条植え、6条植えといったものではなく、2条植えで、しか…

前三三 後三三

義父が持っていた(拝んでいたと書くほうが正しいのだろうが、拝んでいたのを見たことがなかったので)先祖のお位牌を、田舎の菩提寺に納めに行った。 往復に京都を通る。どうせなら、京都に泊まろうということになり、2年ぶりに京都を訪ねた。 あちこちの…

ペースメーカーの持ち主

心臓ペースメーカーを入れている人と話した。 心臓ペースメーカーを入れるまでにいたった経緯、入れてからの生活振り、その後の注意など、いろいろと語ってもらった。 いちばん興味を引かれたのは、精神的に立ち直るのがたいへんでしたといわれたことだ。 心…

黒田恭一氏 追悼

黒田さんが亡くなった。『サライ』のCD紹介ページにご執筆がないな、と心配したが、亡くなったと聞いて、ショックを受けた。 健康雑誌を創刊するときに、音楽のコラムをつくりたくて、そのコラムは黒田さんしかいないと思い、頼み込んだ。 健康雑誌で音楽…

弱毒性と強毒性

新型インフルエンザにふれておきたい。 弱毒性といわれている。毒が弱いから、そんなに怖くないと思ってしまいがちだが、この場合の弱毒性とは、インフルエンザウイルスがとりつく場所が、気管支などの呼吸器と限定されているからで、いわゆる毒性が弱いとい…

マグネットの続き

義父の遺作展が終わった。 150名余の人々がきてくれた。わずか8日間。ギャラリーは都会でなく、山の中。 そんな条件でありながら、これだけの人々が、義父に別れを告げるために、駆けつけてくれた。 義父は本当にマグネットを持った人だった。 わたしの…