2014-01-01から1年間の記事一覧

今年いちばん気になったこと

2014年を振り返って、今年がどんな年だったかを調べてみると、じつは昨年も同じように振り返っているのですが、そのときは今年を一文字で表すというもので紹介しています。 ちなみに、昨年は「輪」で、今年は「税」です。 今年はもう少し、別の角度から…

変わろうとしている医学

アンチエイジングという医学分野があります。元気で長生きするための医学的なアプローチを研究し、提案するものです。 現代医学は、臓器別医学が発展し、からだ全体を診ることがおろそかになっている傾向があります。その点、アンチエイジングは、加齢によっ…

口は目よりものをいう

歯の話題。 ともにテレビ番組ですが、ひとつは『プロフェショナル』。興味のあるテーマをよく取り上げるので、見ることが多い番組ですが(ほとんどPCで見ていますが)、先日は、『歯は磨くだけでいいのか』(文春新書)で取材させていただき、たいへん感心…

シジフォスの神話

先日、体操教室に誘われました。体操のように、みなでいっせいにからだを動かすということが苦手で、というよりみんなでいっしょに何かをやるということ自体がとても嫌いなので、体操も好きではないのですが、仕事の上でも役立つことがあるはず、といわれ、…

自らの死を想像してみよう

生老病死。しょうろうびょうしと読む。 仏教用語で四苦という、四苦八苦の四苦だ。 生まれる、老いる、病を得る、死ぬ。これらを思う通りにならない四つのこととしている。 まさに、生まれる、老いる、病を得る、死ぬということは、思い通りにはならない。 …

自宅で亡くなるときのリスク

FMラジオで、『自宅で死にたい』をテーマに話している。 ミキサーをしている人が、自宅で亡くなった場合、警察が介入してきませんかと問われた。 『自宅で死にたい』を書くときに調べたが、在宅医療を受けていれば、亡くなったときに医師がいなくても、受…

介護施設で働いている人の意見

先日、『自宅で死にたい』を読んでいただいた医師や看護師、介護福祉士を前に話をさせていただいた。患者、利用者が、どのように考えているかを知りたいということだった。 『自宅で死にたい』では書けなかったことを中心に、死をもっと身近に感じてほしい、…

コミュニケーションが穏やかな死につながる道

『自宅で死にたい』を出版した。いままでの本と異なり、自分自身の経験が主の内容だが、いま思っていること、考えていることを書いたつもりである。 すでにはじまっているが、自分の病気との付き合い方、遠からず訪れる死をどのようにとらえているかなどが中…

障害者の等級について

腎臓の状態を示す数値がだんだん悪くなってきて、主治医から障害者福祉サービスが受けられるから、申請してみたらといわれた。人工透析がはじまれば、身体障害者1級になり、医療費の自己負担がなくなることは知っていたが、3級から医療費などの補助を受け…

言葉の楽しさを知る『あざみ通信』

煮えたぎる鍋 方法は二つある 『なつかしい呪文』より これは倉本朝世さんの句だが、川柳のおもしろさをわたしに教えてくれた。この句をブログで紹介したら、倉本さんご本人から連絡があって、それ以後、わたしは執筆した本を献本したり、倉本(冨上)さんが…

三谷幸喜作『君となら』

三谷幸喜作演出の『君となら』を観てきた。 「もしも娘の恋人が、父親以上に歳のはなれた人物だったら…。 好きだけど隠したい、そんな彼が突然家に訪ねてきたら! 嘘が嘘をよび、劇場を笑いと誤解で満たす、抱腹絶倒の傑作お茶の間コメディ。」(宣伝パンフ…

『八ヶ岳ジャーナル』で紹介されました

『八ヶ岳ジャーナル』という地域紙があります。わたしの住んでいる山梨県北杜市を中心に、新聞購読をされている世帯に、毎月2回折り込まれています。無料です。地域の企業などから広告を集めて、運営してされています。山梨県にも山梨日日新聞という地方紙…

会いたい人に会いに行く

毎年、夏に学生時代の友人が訪ねてくる。 彼は、身近な人の死をきっかけに、会っておきたいと思った人に会いに行くことにしたという。 会えるときに会っておかないと、会う機会を失ってしまう、と思ったらしい。 そこで、年に一度だが神奈川からわたしに会い…

自宅で亡くなるために必要なこと

自宅で亡くなる人は統計(2009年)をみると、12・4%。死亡者の1割しか自宅で亡くなっていない。 終末期の療養場所に関する希望というデータがあるが、「自宅で療養して必要になればそれまでの医療機関に入院したい」人が23%、「自宅で療養して、…

自宅で亡くなるために

『自宅で死にたい』という本を書いた。 最期を自宅で迎えたいと思っている人は多い。しかし、なかなかその希望が叶えられない。 病院で医師に診てもらい、最期を迎えることが当たり前になり、自宅で最期を迎えるために何をすればいいのか、何をしてもらえば…

幻となったあとがき

吉田松陰といえば、誰もが知っている幕末の英雄である。 彼は、安政の大獄と呼ばれる幕府の弾圧によって、斬罪されている。安政の大獄では、ほかには橋本佐内なども斬罪。謹慎、隠居を申し渡された藩主も多く、一橋慶喜もそのひとり。安政の大獄は幕末を象徴…

『自宅で死にたい』が紹介されました

尊敬する医療ジャーナリスト丸山寛之さんが 拙書『自宅で死にたい』を抄録してくれました。 わたしがいいたかったことが、的確に紹介されています。 全文を転載させていただきます。 猛暑の午後、1冊の本を読んだ。 蒲谷茂著『自宅で死にたい しあわせな最…

「下山の思想」なのか

『日本百名山』をはじめ、山を紹介するテレビ番組を見ていていつも気になるのが、目指す頂上までの山行は紹介するが、頂上をきわめた後の下山がどのように行われたのかである。 登った道を下ったのか、それとも違う道を選んだのか。先日、千頭星山(標高21…

『自宅で死にたい』

『自宅で死にたい』を書きました。反響がありましたので、少し紹介させていただきます。 「自分たちが考えていた最期を軌道修正することにしました」といってくれた友人。 どのような最期を考えていたのか知りませんが、お役に立ったようです。 わたしと同じ…

穏やかな最期を迎えるために

『自宅で死にたい』という本を書きました。 医療や健康に関する情報を発信してきました。 画期的な医療、すご腕をもっている医者の紹介、病院選びという企画にも携わってきました。 医療は、人の命を救うもの。できるなら、いい医療にかかりたい、と誰もが思…

痛風にご注意

痛風になった。 腎臓に負担をかけないように尿酸値を下げる薬を飲んでいたし、食事もそれなりに注意していたつもりだったが、痛風の発作に襲われた。 理由はいくつか考えられる。わたしの場合はストレスと水分不足が原因ではないだろうか。発作が起こる前、…

高齢者の生活を見直してみよう

市から送られてきたアンケートの中から、生活を見直すためにしてみるといいチェック項目を集めてみました。1 週に1回以上は外出していますか 2 昨年に比べ外出の回数が減っていますか 3 買い物は Aほぼ毎日 B週4、5日 C週2、3日 D週1日 E週1…

高齢者の閉じこもりは死亡率を高くする

わたしが住んでいる市から、あるアンケートがきた。 老人福祉計画、介護保険事業計画の見直しを3年ごとに行っているが、この事業の基礎となるよう、市内に在住の一般高齢者および要介護認定者から無作為に選び、生活状況などを調べ、さらに市の高齢者政策に…

ボディパーカッション

ボディパーカッションというのをご存じですか。 わたしもまったく知らなかったのですが、こちらにきて友だちになった友人夫婦の奥さんが、ボディパーカッションのパフォーマーでした。 ボディパーカッションとは、簡単にいえば、自分のからだをたたいて打楽…

認知症は誰もがかかる病気

奥さんが認知症になり、すぐ忘れてしまうので困ってしまう、といっている人がいる。 この人が偉いのは、妻が認知症であることを隠さずに、皆の前で伝えていることだ。 身内が認知症だと認めるのはなかなかできない。さらにそれを、人の前でいうのは抵抗があ…

徘徊老人の事故を防ぐために

NHKスペシャルの「認知症“800万人”時代行方不明者1万人」という番組で、徘徊の結果、群馬県館林で保護され、介護施設に入所していた女性が紹介されていた。その女性の身元がわかり、夫と7年ぶりの再会を果たした。テレビ画面から見ると、かなり認知…

認知症での徘徊

2012年、認知症が原因で徘徊し、行方不明となった人の数は、全国で9607人。これは警察に届け出た数です。 大半は無事に戻ることができたのですが、約180人の方が行方不明のままです。 そして、12年に解決した例(11年以前に行方不明と届けら…

認知症は家族の責任(?)

4月24日。名古屋高裁で、認知症による徘徊で電車にはねられ、死亡した患者の家族に対し、JR東海が列車遅延などによる損害賠償訴訟を起こした控訴審の判決があった。 2013年の8月の一審では、720万円の賠償金が認められ、遺族に対し、支払うよう…

健康の基準値の変更はそんな簡単なことではない

先日、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、健康診断や人間ドック「異常なし」としていた判定を緩めると発表した(4月4日付朝日新聞)。 そのことに少し反論をしたが、日本人間ドック学会が4月7日付で、「異常なし」判定基準を緩めるという発表を…

吉田松陰『留魂録』

いま書いている本の資料として読んだ。吉田松陰といえば、誰もが知っている幕末の英雄である。 彼は、安政の大獄と呼ばれる幕府の弾圧によって、斬罪されている。安政の大獄では、ほかには橋本佐内などが斬罪。謹慎、隠居を申し渡された藩主は、一橋慶喜をは…