手をこまねいて

 徐々に悪くなっていく腎臓に負担をかけないようにしたい。
 漢方でもどうにもならなかった。専門医に診てもらったほうがよさそうだが、二の足を踏んでいた。漢方医から西洋医学的な検査を受けてもらいたいと紹介された総合病院の腎臓内科医がいた。
 その医師が最低だった。年齢はわたしより上だし、漢方医の同級生ということで紹介されたのだが、紹介状もちらっと見ただけ、人の話も聞かないし、検査、検査という。はじめていったときは、検査の日を決めただけだった。検査を受け、その結果を聞きに行ったのが2回目の診察である。
 その腎臓内科医は、コンピュータの画面とにらめっこだった。「あっ、これも。これもだ」などと独り言をいいながら、わたしのほうを振り返ると、「血圧の薬、コレステロールを下げる薬を出します」という。「漢方を飲んでいるのですが」といっても、まったく無反応。「ウォーキングをしているのですが」といっても、そんなもの、何の役に立つのかという顔をするだけで、これも無反応。
 漢方の先生に報告したいので、検査結果をくださいといったら、それはくれた。その総合病院は、検査結果を患者に渡すことを宣伝している病院だから、当然のこと。別にその医師が、気を利かしてくれたのではない。
 なにしろ、ずっとコンピュータを見ているのだ。これにはイヤになった。
 腎臓内科医だから、もう一度彼に診てもらおうとは決して思わない。もう二度か。