医者に出会った

 仕事がら、医者にはたくさん会ってきた。すばらしい医者も「こんな奴がどうして医者なんだ」と思えるような医者にも。
 しかし、自分の医者を探すとなると、取材で医者に会うのとはまったく違う。自分の体をゆだねるわけだし、わたしのような慢性病となれば、一生つきあわなければならない。けっこう真剣に医者にあった。当時住んでいた家の近くの医者が、ホームドクターだったが、腎臓の専門医ではない。
 腎臓ネットでカミサンに紹介された医者は、腎臓の専門医で大学教授。腎臓学会でも重鎮である。カミサンの腎臓病は腎臓病の中でもなかなかむずかしい病気で、腎臓ネットの中でも専門医は少ないとなっている。
 この先生がいい先生だった。親切に対応してくれるし、患者といっしょに伴走しましょうという感じで、押しつけがましくないし、できるだけ元気づけてくれようとしている。
 カミサンが気に入り、三回目の診察のときに、わたしの話をし、診てもらうようにお願いした。わたしもあって、感心した。尊大なところがまったくない。患者の立場に立って話してくれる先生だった。