腰痛は治るのか

 わたしの腰痛が治った。田植えは中腰になって、苗を植えるときは、腰をかなり曲げることになる。この動きを、昨日は、8時間ぐらいしただろうか。最後は、さすが腰が重くなり、田植えを終了したが、こんな腰を曲げる動作、腰に悪い動作を長い時間したのに、痛みはない。疲れはあるが痛みはない。
 ぎっくり腰は治った。ある本を読んでいたら、腰痛の7割は治ると書いてあった。根拠は明かではないが、周囲の人に聞いてみると、そんな感じがする。
 問題は治らない3割の人たちである。痛みは、精神的にも不安定な状態をつくる。しかも、いろいろな治療を受けてもいっこうによくならないので、なおさらである。
 もうすでに治療をやめてしまったのだが、腰痛が治ると評判の医師と友人だった。彼は、元々は産婦人科医で、整形外科医ではない。お産で赤ちゃんを取り上げているとき、骨盤が大きく開くのを見て、解剖学では動かないといわれている、骨盤と仙骨の関節(仙腸関節)が動くのではないかという仮説を立て、それを腰痛に当てはめ、さまざまな治療を試み、なかなか治らなかった腰痛患者を救ってきた。
 きちんとレントゲンを撮り、仙腸関節をはじめ、腰にどのくらいの力を入れていけば、曲がった腰が治るかを調べ、治療を行っていた。
 何人かの知り合いを彼のクリニックに紹介したが、みな治ったとよろこばれた。
 報告を受けたが、いつでも腰痛で悩んでいる患者さんの話を本当によく聞いてくれ、それだけでもよくなった気がしましたといっていた。
 話を聴くことの大切さをあらためて知った。
 いま福島の田舎で、周囲にほとんど医師のいなかった村で、小さな診療所をやっている。遊びにこいといわれているので、その後の彼に会ってみたい。