国民医療費が教えてくれるもの

 8月24日。厚生労働省は、平成17年度に病気やけがの治療で医療機関に支払われた医療費の総額である国民医療費が前年度(16年度)に比べ1兆178億円増(3・2%増)の33兆1289億円となり、3年連続で過去最高を更新したと発表した。ここ数年1兆円ずつふえている。
 このうち65歳以上は全体の51・0%にあたる16兆8906億円を占めた。

 厚労省は、医療費がかさむ高齢者の増加や、医療技術の高度化が増加要因と分析している。具体的には、人口の高齢化の影響で1・8%、人口増で0・1%、医療の高度化などで1・3%それぞれ伸びたとみている。

 年間の国民ひとりあたりの医療費は7800円(3・1%)増の25万9300円で、国民医療費の国民所得に占める割合も9・01%(前年度8・85%)と初めて9%台に達し、いずれも過去最高。

 年代別の国民1人あたりの医療費をみると、65歳以上が65万5700円。64歳以下は15万9200円で4・1倍である。70歳以上になると74万2300円、75歳以上では81万9100円で、年齢を重ねるにつれて医療費が増えていく。

 こうした統計を見ていると、高齢者の医療費がとくに高く感じられる。
 高齢者の治療内容についてくわしく知りたい。何が行われているのか。