マックをはじめて食べたのはいつ

山の中に住んで変わったことがいくつもあるが、食べものでいえば、立ち食いのものをほとんど食べなくなった。立ち食い、英語でいうとファストフード。ファストフードとは、ファースト=いちばんという意味ではなく、短時間で調理、あるいは注文してからすぐ食べられる手軽な食品や食事のことをいう(ウィキペディアより)。ちなみに正確に発音するとファーストとなるらしい。ここでは紛らわしいのでファストフードという。


さて、ファストフードの代表といえばハンバーガー。ハンバーガーはまず食べなくなった。東京にいたとき、自宅の近くの商店街にハンバーガー店があったので、昼食に食べたこともある。立ち飲みコーヒー店ではホットドッグをよく食べた。酔って帰りがけに立ち食いそばにもよく行った。牛丼も食べたことがある。
立ち食いができる店が近くにないのだから、簡単に行けない。で食べなくなったのだが、
年齢もあって、こうした大量消費型の出来合いのものが口に合わなくなってきている。とくに脂っこいものがダメだ。


ところで、ハンバーガーの1号店が東京・銀座できたのは1971年。いまから42年前。子どものころからあったわけではない。
しかし、それよりほぼ8年前に沖縄県ではハンバーガー店ができている。
わずか8年の差だが、アメリカの高脂肪・大量消費型の食文化に、子どものころから慣れていると、どのようなことが起こるのか。それが、「沖縄クライシス」である。
沖縄県といえば、男女とも平均寿命が長く、日本一だった。ところが、男性は1990年に5位に落ち、その後多少持ち直したが、2000年に26位にまで落ちてしまった。これを沖縄クライシスという。


さまざまな研究があるが、早くから高脂肪の食事が、簡単に食べられるようになったことが関係しているという。
わたしがファストフードの代表ともいえるハンバーガーを食べたのが22歳。それなり味覚はできあがっていたと思う。母の味にはハンバーガーはなかった。ちなみ父も母もハンバーガーは食べたことはないはず。
味覚ができあがるときに、出会ったものがそのごの食事をすべて決定するとはいえないが、影響を与えるのは間違いがないだろう。
わたしたちの年代はまだいいが、わたしより若く、子どものころからファストフードに慣れてきた世代は、よほど心して食べないと、怖いことが起こると思っている。
いやそんなことはない、きちんと食べているという人はいいのだが。

近著『歯は磨くだけでいいのか』をよろしく。