1200字第2弾

だいぶ寒くなってきました。
そこで、今回は血圧について書きました。

タイトルは「あなただけが知っている」です。
 いよいよ寒くなってきました。寒くなると気になるのが血圧です。血圧とは血管に外側に広がるように内側からかかる圧力のこと。血圧が高いとは、それだけ血管に圧力がかかり、その圧力によって血管の壁が硬くなり、動脈硬化といわれる状態になります。
動脈硬化が心臓の血管に起こると、血液の流れが悪くなり、心臓の筋肉が動かなくなり心筋梗塞を起こします。脳の血管に起これば、脳梗塞。脳の血管が破れると脳出血。みな死に至る病です。 これだけ怖い病気の元となるのが高血圧ですから、血圧は低め低めに保っておきたいものです。
ところで、高血圧は高くなってもほとんど自覚症状がありません。太ってくれば、「最近ちょっと太ったんじゃない」といってくれる家族や友人がいますが、「血圧、高いんじゃない」といってくれる人はいないでしょう。
 お医者さんがいるでしょう、といわれそうですが、じつはお医者さんもあなたの普段の血圧を知りません。病院や診療所で血圧を測ると高くなることがよく知られています。お医者さんや看護師さんの白衣を見ると、思わず緊張してしまい、血圧が上がるのです。「白衣製高血圧」と呼ばれています。血圧は家で測らなければ意味がありません。
 とくに、朝、血圧が高いことが問題となります。それは、心臓病、脳卒中は朝起きることが多く、これは朝血圧が高くなっているためといわれています。朝どのくらい血圧が高くなっているのか。それはお医者さんにもわかりません。日中病院や診療所で血圧を測り、おおよその見当はつきますが、朝の血圧は正確にはわかりません。わたしたちが調べるしかないのです。
 血圧は低め低めがいいと述べましたが、どのくらいがいいのでしょう。家で測ったときは、上が135mmHg未満、下が85mmHg未満であること。これ以上高い数値が出た場合でも、少し時間をおいて測り直してください。3回ぐらいやってみて、低くなればいいでしょう。高い状態が続くようなら、その数値を持ってお医者さんに相談してください。1回測っただけで一喜一憂してはいけません。「今日は悪い血圧だったから」という友人がいます。毎日測っているので、血圧が高い日もあります。高い日が続くようなら心配ですが、1日だけなら気にする必要はありません。
 測る時間ですが、朝は起きてトイレに行ったあと。食事をしたり、薬を飲んだりする前です。夜は就寝前か、入浴前。食後すぐは避けてください。血圧は毎日測り、記録して、それをお医者さんに見せてください。高血圧の診断の基準になりますし、降圧薬を飲んでいるなら、その効果を確認することもできます。
 家庭用の血圧計の普及率は、およそ3割といわれています。体温計並みに血圧計が家庭に入り、みなさん朝と夜に測ってくれれば、寿命はもっと延びるはずです。ちなみに、体温計の普及率は約90%、体重計が約75%。「そういえば子どもたちから血圧計をもらったわ」という友人がいました。その血圧計は押し入れにしまいこまれていました。これでは宝の持ちぐされ。さあ、今日から測りましょう。
八ヶ岳ジャーナル』11月1日号より。