さりげなく手紙を渡すという方法…上手に介護を受けるために

公的な介護を受けるためには、各自治体の包括支援センターに介護を依頼することからはじまる。
包括支援センターでは、介護が必要と思われたら、本人に直接面談し、介護の状態を調べる。


自宅もしくは病院を訪れ、本人と面談しながら、介護認定に必要な項目をチェックしていく。
病院に入院していて、退院して自宅に帰り、介護が必要になると思われる場合には、病院に判定員にきてもらうこと。
自宅に帰ってから、判定しますといわれたら、自宅ですぐに介護が必要になるから、病院にきてくださいと頼むこと。
この件を病院にいる医療ソーシャルワーカーに相談する方法もある。
義父が介護認定を受けようとしたとき、包括支援センターに相談したところ、退院されてからお伺いいたしますといわれたが、病院のソーシャルワーカーに相談すると、それはおかしいと包括支援センターと連絡をとり、職員とやり取りし、判定員がきてくれる日時を決め、その日に医師、看護師、家族、介護用品のレンタル会社の人も集め、一回の面談ですべて決めてくれた。
これには何も知らないわたしたちには、ずいぶんと助けられた。


さて、判定に関してだが、マヒがあるかどうか、寝返りはきちんと打てるか、視力に問題はないか、よく聞こえているかといった身体的な動作のチェック。これは、本人にやってもらったりして調べていけばいいので、それほど大きな問題にはならない。
問題となるのは、本人の申告によるもの。
食事はとれているか、トイレはひとりで行けるか、外出はひとりでできるかという生活のチェックである。


「トイレはひとりで行けますか」と聞くと、「ひとりで行けます。問題ないです」と答える人が結構いる。
家族からすると、おしっこを漏らしてしまうことは頻繁にあるし、寝ている間に漏らしてしまうこともあるのだが、本人にその自覚がない。もしくは言いたくない。
こんなとき、「しょっちゅう、漏らしているじゃない」と本人を前にしていったら、相当傷つけることになる。
また、介護をしている人が息子のお嫁さんという場合は、とくにいいにくいだろう。
もちろん本人もいわれたくない。
「ひとりでできます」というのは、本人の『希望』であることもある。
できないじゃないのといわれたら、自尊心は大いに傷ついてしまう。
認知症に関しては、質問に答えられなくても、それほど傷つかないとおもう。


そこで、判定員がくる前に、前もって本人の問題について、書いておくといい。
おしっこを漏らしてしまうというようなことを文章にすることで、本人の生活をもう一度見つめ、どこに問題があるのかを介護している人も確認することになる。
そして、判定員に、「本人はああいっていますが、本当は」とさりげなく、本人にわからないように手紙やメモにして手渡す。
これは、判定する人にもずいぶんと役に立つという。
多少面倒でも、判定員がくる前に手紙に問題を記しておこう。


先日、FM八ヶ岳でケアマネジャーの古本桂子さんからお聞きした放送した内容の一部です。
第1回目になります。
この項続きます。