フェイク情報を見破る

1日に2回、腹膜透析をすることが、少しずつ習慣になりつつあります。
時間になると自然にはじめるという感じ。
1日に2回腹膜透析をすることが、1日のスケジュールに確実に組み込まれてきました。
腹膜透析をはじめたから、生活が変わったということはありません。
原稿を書き、放送の準備をし、ウォーキングもつづけています。
もともとインドア派で、本を読んだり、音楽を聴いたりして過ごすことが好きなので、病院に一日おき通う必要がない、いまの生活に満足しているといってもいいでしょう。


あまり熱心にテレビを見るほうではないのですが、医療健康に関する番組はつい見てしまいます。
朝よく見るニュース番組は、視聴者がインターネットでどんなことに興味を持ったかを中心にニュースを取り上げていきます。
ときに男女別、年代別に掘り下げているので、どんなニュースに興味があるのかがわかり、おもしろい。
また、3人のコメンテーターが毎回日替わりで出てくるのですが、その人たちの意見もなかなか聞き応えがあります。その人たちとやり取りするキャスターも好きなので、この番組は欠かさず見ています。


この番組に、知り合いが出てきました。
認知症の研究者であり、医師です。彼がその番組で「認知症を治すことはできません。しかし、予防することはできます」といっていました。
これは当たり前かもしれませんが、重要な提言です。
認知症を克服できていないいま、治療より予防に重点をおくことは大切です。
誰もが認知症になりたくはありません。
では、どうすればいいのか。
彼が、ランセットというイギリスの科学専門誌から、最近の認知症の話題を取り上げ、運動不足やうつ病を治すこと、糖尿病の治療、高血圧の治療、喫煙習慣をなくすことなどで、認知症のすべてが予防できるというような感じで話していました。
確かにこれらは認知症だけでなく、健康であるためにはたいへん重要なことです。


ちょっと気になったので、論文を直接見たのですが、
認知症の3分の1は特定の生活習慣の改善によって予防可能である」
とありました。
あくまでも3分の1です。
認知症のすべてに有効というわけではありません。
テレビの健康番組を見ていると、これだけすれば、これさえ飲んでいれば、すべてが解決できるというつくりになっています。
情報が正確に取り上げることが基本です。とくに医療健康に関してはそう思います。
原文にあたることが大切ですね。