手術の前に歯科検査

年末に大きな手術を控え、担当の看護師から、「歯科検査を受けてください」といわれた。
友人が、がんの手術後に受けた抗がん剤の副作用のために、大変なことになった。
それは歯である。
がんの骨転移を防ぐために、前立腺がんや乳がんでは、骨転移を防ぐ抗がん剤が使われる。
そのとき、歯周病や虫歯といった疾患があると、症状が進むばかりか歯が抜けてしまった場合、本来萌出してくる歯槽骨などが出来上がらず、大きな穴が開いた状態がつづいてしまう。
大きな手術や抗がん剤治療を受ける前に、歯科の疾患をきちんと治療しておくことが重要だ。
しかし、いままで歯科との連携が少なく、手術前に歯科検査をするのはあまり一般的ではなかった。
それが最近になって、ようやく歯科検査が行われるようになってきた。


わたしは3ヵ月ごとに歯科の定期検査をしてもらっている。
そのときに、歯周病や虫歯などの歯の疾患のチェックはもちろん、歯石取りをはじめ、歯科衛生士さんによる歯の清掃もしてもらう。
現在のところ、治療が必要とする歯はない。
そのことを伝えると、担当の看護師さんも「それなら結構です、歯科検査は受けなくていいです」と。


子どものころ、毎年小学校で歯科検査が行われていた。いまでも行われていると思うが、大人になってから歯科の検査を受けたことがあるだろうか。
市町村で行われる健診には歯科は含まれていない。
わたしのように定期的に歯科検査を受けている人はまれかもしれない。
高齢者にとって、健診と同様に歯科検査は非常に重要である。