やはり食卓から

 食卓に供される食材に関して。
 以前、子どもの肥満の取材をしていたとき、太ってしまった子どもたちが描いた食材の絵を見せてもらったことがある。食材といっても、むずかしいものではない。魚、鳥、豚、牛、野菜の類である。
 その中で、魚の絵だといって見せられたのが、切り身に目があるもの。鮭か何かの切り身に大きな目が描かれている。これが魚だそうだ。泳いでいる魚を見たことがないのだろうか。水族館に行ったことがないのだろうか。鳥はほとんど鶏を描いていたが、これも足が4本あったり、めちゃくちゃだった。学校で鶏を飼っていないのだろうか。
 食べものに関して、それがいったいどういうものだということがわかっていない。
 子どもたちをやせさせるために、夏休みの一時期に病院に入院させ、栄養士がきちんと管理した食事を食べさせたり、運動をさせたりする肥満解消学校で、ひじきや野菜の入ったまぜご飯が食卓に上った。
 子どもたちは、ひじきを知らなかった。ご飯にゴミが入っているといったのである。普段の彼らの食生活には、ひじきがなかった。
 太った子どもたちの場合、毎日の食生活が問題なのである。