健康情報

 「健康情報まず疑う目」と大きな見出しが気になった。2月8日の朝日新聞の2面である。「あるある大事典」事件が起きたあとなので、こういう見出しになったのだと思う。内容は、テレビの健康情報番組がどのように作られ、チェックはどのように行われているかをレポートしている。NHKの「ためしてガッテン」では制作者、日本テレビの「思いっきりテレビ」では広報部の発言を掲載しているが、それなりに努力はしているようだ。
 そのほか、いわゆる有識者からコメントをとり、冒頭の見出しになったのだが、健康情報のすべてを、疑う目で見なければならないというような見出しは、少しおかしい気がする。
 大体新聞で掲載される健康情報はすべて正しいのか。広告で扱う健康食品、健康器具に問題はないのか。
 昔、健康雑誌の編集長をしていたときに、新聞や電車の宙づりに広告を出すときに注意されたのは、表現である。「〜は効く」「〜の効果は確実」という表現はまず通らなかった。健康雑誌の新聞広告を見ていると、「消えた」「快癒」「改善」「下がった」という表現はあるが、「効いた、治った」という言葉はなくなっている。
 問題は内容であって、言葉だけではないような気がするが、それは問題にしていない。
 日本では、批判活動をしている科学者は少ない、と朝日新聞に科学者がコメントしていたが、大切なのは、正しい批判なのだと思う。