歯、歯、歯
はっ、はっ、はっと笑いたいところですが、その「は」ではなく、歯の話題です。
歯はものすごく大切な器官なのに、どうもないがしろにされている感じがする。歯のことを真剣に考えたことがあるだろうか。歯が痛くなったとき、入れ歯があわなくて困っているとき、歯がぐらぐらしてきたとき、歯を意識するのはこんなときだ。
当たり前だが、歯がなければ食べることができない。むし歯が一本あるだけでも、食べるときに不自由だ。そして、これが重要だが、歯がないと話すことができない。歯なしでは話させないのだ。
入れ歯があわないために、入れ歯をはずさざる得なかった人が、入れ歯を調整してもらったら、それこそいままでのうっぷんを晴らすかのように話しはじめ、周囲の人たちが驚く場面を見たことがある。
歯科の訪問医療を行っている歯科医師の講演会で紹介されたビデオだが、それは衝撃的な映像だった。
新潟県のある都市で、地域健康センターができあがり、その開所式にまねかれた歯科医師が、センターの設立に尽力した人が、入れ歯があわないために、食べることも話すことも不自由になっていることを聞き、その場で口を見、入れ歯を調整して入れたところ、その人がとうとうと話しはじめたのである。
開所式だったので、その人が話す機会があり、センター設立の意義やその過程を会衆に向かって話した。
まさに、歯がこの人を救った。わたしたちは歯が大切ということをもっと知る必要がある。