医療のない世界

 いまわたしたちは、医療のある世界に生きている。
 よく考えてみると、世界中で医療が安易に受けられる国は、ごくわずか。
 アメリカは保険制度が普及していないので、たいへん高額な医療費を取られるし、中国も医療の恩恵を受けられる人は少数だ。
 医療を安易に受けられる国は、日本、ヨーロッパの一部ぐらいである。
 安易に、であって、安心して、ではないので、念のため。
 中南米、アフリカ、東南アジアの国々では、生まれてから死ぬまでの間に、一度も医療のかからない人がたくさんいる。
 医療のない世界に生きている人たちの間で、バイブルとなっている本がある。『医者のいないところで』というタイトルの本である。世界各国で訳されているが、日本では翻訳本は出ていない。
 この本には、医者に頼らないで健康を保持するための方法がたくさん載っている。
 もし、医療がなかったら、どうするかを考えてみるのはいいことだ。