100人

 以前通っていた腎臓内科の医師に、1日に何人ぐらいの患者さんを診ますか、と聞いたところ、大体30人ぐらいでしょう、という答えが返ってきた。このくらいの数なら、患者さん一人ひとりの情報を思い出しながら、診察ができるだろう。
 この医師の1日に診る患者数は少ないほうで、たくさん診る医師なら、1日に100人の患者を診察するという。100人それぞれの情報を思い出し、診察することはできない。カルテに書かれている記録をちらっと見、「お変わりありませんね」といって、それまで渡していた薬を処方して終わり。
 患者にとっては、ひとりの医師なのだが、医師のほうからすると100人の中のひとりである。個別にここの患者にあった医療指導ができるわけがない。
 医師が前もって予習をするという話は聞いたことがない。ぶっつけ本番の医師に、個別指導を期待してはいけない。
 自分でやるしかない。