片腎2

 右の腎臓が萎縮していて機能をしていないことがわかったのは、50歳のときだった。
 人間ドッグで見つかった。わたしは、健康診断を信用していない。健康診断は、受けたときの体の状態はわかる。しかし、体の奥に潜んでいる病気は、とおりいっぺんの血液検査や画像診断では見つからないことがおおい。やはり専門の医師でなければダメだと思っている。
 自分の体は自分がいちばんよく知っている。痛みはもちろん、いつまで続く不快な感じ、何か不安が感じがするなど、普段の自分とは異なる症状があったら、迷わず医者に行こう。症状があるのだから、医師も真剣に診てくれるし、病気を探そうとする。
 だから、体に何か異常を感じたときに医師に診てもらったほうがいいと思っていた。納得できなければ、ほかの医師にさらに診てもらおう。そうすることを勧めてきた。
 ところが、わたしの腎臓はまったく症状がなかったのである。痛くもかゆくも、何か不安な感じるところもなかった。自分では見つけることができなかった。
 人間ドッグの超音波検査で、腎臓の萎縮がわかった。