さて、どうする

 右の腎臓が動いていないことがわかった。
 どうすればいいのだろう。
 萎縮してしまった腎臓を元に戻すことはできない。失われた機能を働くようにすることもできない。もちろん、代わりとなるような臓器はない。
 さらに、徐々に弱っていく左の腎臓も心配だが、これも同じで治療法はない。手をこまねいているだけなのか。
 そんなとき取材で漢方の医師と出会った。漢方薬なら、何か方法があるかもしれない。漢方では、手の脈を診る脈診、舌を診る舌診など、西洋医学的な診察はしない。わたしの場合も、医師は脈をとり、舌を見、おなかをさわり、入念に診察した。その結果、漢方薬を処方してくれたが、それもすべて煎じ薬。中国から直接入れているという。自宅で煎じるのはたいへんなので、診療所で煎じたものを後で送ってもらった。一見すると泥ような感じだが、漢方薬のにおいがふんぷんとする。診察と投薬を1年ほど続けたのだが、腎臓の数値はいっこうによくならなかった。西洋医学的な検査は別のクリニックで受けていた。
 自由診療だったので治療費が高く、しかも、漢方薬も高かった。成果もあまり見られなかったので、治療は中断した。
 さて、これから、わたしはどうしたのか。