人工透析

 健康診断からおしっこの検査をなくそうと厚生労働省が画策した。おしっこの検査は、尿蛋白検査で、おしっこにたんぱくが含まれているかどうかの検査である。腎臓の機能が衰えてくると、たんぱくが再吸収されずにおしっこに出てくるようになる。わたしなんて、いつも+3です。
 この検査が腎不全、透析導入の予防に効果があるという証拠がないというのが理由である。さらに、仮に慢性腎炎がわかったとしても治療法がないので、無駄だと判断した。
 これに腎臓学会が猛反発した。腎臓の機能が落ちているとわかったら、血圧を下げる薬を服用するなどの治療法があり、その結果透析導入を引き伸ばすことができると。
 結局、おしっこの検査は復活したが、厚生労働省が国民のことを考えずに、医療費の削減だけを考えていることがよくわかる。
 厚生労働省は、一方で透析を減らそうとしている。透析費用は患者ひとりあたり年間に500万円から600万円かかる。04年の国民医療費32兆円の中1・5兆円。かなりの額である。減らしたいと思っているだろう。しかし、現在治療を受けている人をやめさせるわけにはいかない。透析は死ぬまで続けられる。
 透析にならないように、透析になるにしてもそれまでの期間を伸ばすこと。これが肝心だ。
 まさに予防である。さて、どんな方法が提案されるか、楽しみだな。
 でも、お役人は、国民のことを考えていないから、どうなることやら。