それにしても

 医者のひとことである。わたしは、あと2年で60歳になるが、60歳になったら急カーブを描いて、クレアチニンの数値が上昇し、あっという間に腎臓が機能しなくなって、透析だといわれたのは2年前。
 それまでかかっていた東京の医師は、70歳ぐらいまでは大丈夫ですから、お互いがんばりましょうといった。彼の最近のメールには、「これからもがんばらないけど、あきらめないで」と書かれてあった。
 いまは治療法がないが、これから先も治療法がないというわけではなく、いい治療ができるかもしれないということだ。
 東京でかかっていた医師は、患者のことを真剣に考え、常に患者の立場に立とうと努力していた。言葉も慎重に選び、わからないことは正直にわからないといって、調べてくれたりした。
 医者のひとことに、患者は一喜一憂する。患者の自立がテーマのわたしですら、振り回される。患者の立場で、自分の言葉がどんな影響を与えるか、じっくり考えてほしいものだ。
 わたしたちも、負けずに自分の道を開いていくが。