病院寄席

 群馬県脳神経外科病院で、毎月1回寄席が開かれている。理事長をしている医師自身が高座をかけている。
 その医師は、笑いの研究もしているが、笑いには3つの効果があるという。
 ひとつは運動効果。ハッハッハと笑うと、息を短時間に吸ったり吐いたりしなければならない。息を吸うときは、横隔膜が下がり、肋間筋という筋肉を収縮させ、胸部を広げ、空気を吸い込む。吐き出すときはこれと反対に胸部を縮小させる。これを短時間にくり返すことになる。これが運動効果。
 次に脳の血流量が増える。脳神経外科医だけに、脳の働きはずいぶんと研究したようだ。血液量だけではなく、脳の活動で見ると、リラックスしたときに出る脳波α波が出るという。
 3つ目はストレスが解消できる。これらが相まって、血糖値が下がるという。
 糖尿病の人は多いに笑うことを勧めている。
 鏡に向かって自分の顔を見ながら、笑顔を作るだけでもいいそうだ。口角を引き、左右対称に眼を細め、にやっとする。これを2、3回やったら、今度は声を出してやる。これで十分。顔の表情筋を動かして笑うと、脳の神経回路で笑うメカニズムが動き出すらしい。
 笑い飛ばそうではないか。