うつについて

 うつの人がふえている。心の病といわれてきたが、最近の研究では脳内の科学伝達物質が不足しているために起こることがわかってきた。脳内の科学伝達物質のバランスをよくすると、症状が改善することが多い。
 うつ病になると気分は落ち込み、やる気がなくなり、集中力も落ち、食欲もなくなり、眠れなくなる。このひどい状態がずっと続くと思い、自分を消す以外道がないと考え、自殺をする。
 自殺を防ぐためにも、まずうつ病は治ると確信すること。うつ病のときに大切な決断はしないこと。できれば、うつ病を前向きにとらえること。
 自我心理学に、「創造的退行」という言葉がある。退行とは、ある段階まで発達・進化していたものが病気などの障害で、原始・幼稚の状態にまで戻ることとある。赤ちゃん返りである。うつになると、自主的な判断ができず、まわりに依存的になってしまう。退行してしまうわけだが、これがあくまでも創造的なもので、うつにより自発的な創造性が高まり、自我の自律性を促進と考える。
 これがうつを前向きに考えるひとつの方法である。これだけで解決策になるとはいえないが、ひとつの方法といえる。
 薬を服用しながら、可能な限りしっかり休むこと。これがうつを治す近道である。