悲しみに向き合う

 たいへんむずかしい、なかなかできないことだが、それを「悲嘆の作業」という。
 生きている限り、さまざまなものを失う。たとえば、親しい人たちとの別れ、妻、夫、子ども、親、友人たちのと死別、もしくは離別。ペットの死というのもある。
 こうした喪失体験は、歳を重ねるほどふえていく。妻の死によって、孤独感が強まり、さらに病気への不安、死に対する不安が高まり、抑うつ状態になっていく男性が多い。
 喪失体験に向き合い、整理し、受け入れ、意味づけていく。これが「悲嘆の作業」である。
 悲嘆の作業ができる人は、うつにならないだろう。とくに受け止めが重要だ。
 受けとめる力を日ごろから養っておきたい。