杖をついて田植えをする

 昨日、田植えの日。一昨日も田植えをしたのだが、こちらは都会から田植え体験にくる家族連れの応援で、自ら田んぼには入らず、稲をまっすぐ植えてもらうために、ラインコントロールをする。要するに、田んぼの畦の両脇にしゃがんで、目印のついたライン(丈夫なナイロンの糸)を引っ張り、目印に稲を植えてもらう。ラインコントロールの片方をしながら、近くの人に田植えの仕方、手植えの効用などを話す。
 手植えをした苗は、大風や台風にきても、倒れない。実りの時期に台風がくると、稲が倒れてしまい、稲穂に水がついて美味しくなくなる。そのために、倒れないような薬剤をまく人もいるという。手植えをすると、稲が倒れない。稲を植えるときに、しっかり田んぼに差し込むからだろう。機械植えでは、代掻きが完璧にできていないと稲がきちんを植えられない。その結果、倒れると思われる。
 さて、わたしですが、ぎっくり腰が治っていないうちに、ラインコントロールをしたために、手植えの応援の終わったあとは、それこそ倒れ込むように横になり、安静を心がけた。
 それがよかったのか、本格的な田植えの昨日は、それほど腰が痛くならなかった。本格的な田植えでは稲を植える量も多いのに、人手が少ない。ちなみに師匠とわたし、助っ人の3人。これで2枚の田んぼの田植えをする。
 機械植えをするしかないが、機械植えをするとどうしても稲が倒れたり、植わっていないところが出てくる。そこに補植といって、まさに手で稲を植えていく。これが結構の労働なのだ。
 とくに今年は稲の発育が遅く、根がしっかりしていないために、倒れる稲が多い。わたしたちの稲を植える機械は、サーフボードに大きな車輪がついていて、2条ずつ植えていくタイプ。4条も6条を植えられるものではない。当然サーフボードは人力で押していく。車のように座ってやるタイプではない。
 補植をするために、かがむのが怖い。そこで、杖になるようなものを探し、杖をつきながら田植えをした。本来なら、右手も左手も使って田植えをするのだが、それができない。
 杖のおかげで、足と杖の三点支柱ができ、腰への負担はぐっと減った。しかし、作業量は減ってしまった。それは仕方がない。
 現在、腰の痛みはほとんどなくなった。疲れもあったが、昨日も強制的に早く寝て、安静が功を奏したようだ。
 腰痛も安静にしていれば痛くないようなら、休ませるのがいい。これをますます実感した。