頭と心2

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 先日、医師でご自身もがんになった経験のある竹中文良氏と、同じくがんの経験者であるエッセイストの岸本葉子さんの対談を読んでいたら、知識と感情を結びつけることが必要がという話が出てきた。
 治る可能性の高い、初期のがんだったにもかかわらず、なかなか意思決定ができない。それは知識が偏っていたから。後遺症についてくわしく聞き、それが100パーセント出るわけではないのに、また、対処法がたくさんあるということを聞いていなかった。
 感情面でいうと、手術が怖いのではなく、自分ががんになったことをどうしても受け入れなかった、という。
 病気になった。それが治る病気ならいい。治らない病気で、治療法もない。その病気を受け入れるしかない。
 その病気とともに生きていくしかない。この病気の受け入れが必要なのだ。
 病状が厳しくなっていることを知りながら、周囲にそれを見せないまま、淡々と人生を終えられる方がいるという。すごい。
 ごく普通の人たちががんを受け入れ、取り乱すことなく、亡くなっていく。
 自分もできるだろうか。