先日の抗加齢学会の総会で

 尿失禁の反対語が尿禁制。おしっこに関する医学的な研究をする国際会議がある。この会議名が国際禁制学会。その学会で、膀胱が自分の意思と関係なく、過敏に過剰に働いてしまう状態を「過活動膀胱」と名付けた。名前を付けただけではなく、この症状に対して治療法が提案された。その研究の中から、副作用の少ない薬が生まれた。
 過活動膀胱は、突然がまんできないほどトイレに行きたくなる、トイレが近い(頻尿)、トイレまでがまんできずにもらしてしまう状態をいう。
 このうちのどれかに当てはまるようなら、泌尿器科に行ってみよう。
 紹介した本は、こうした症状がなぜ起こるのか、どうすれば防げるのかを詳しく紹介した。
 トイレの悩みは、家族にもなかなか打ち明けられず、困っている人が多い。ぜひ、この本を手にとってもらいたい。悩みを解消する方法が網羅されている。
 抗加齢学会で、白澤先生が、100歳を過ぎても日本舞踊をしている女性を紹介していたが、尿失禁とは無縁という。下半身を鍛えるのが、いいらしい。
 生きている限り、排泄は欠かせない。排泄の不安を社会全体が何とかしようと思ってくれないと、年寄りは外出がままならない。
 高齢者が生きやすい社会をつくることが肝要だ。