カミサンが薬疹に襲われた

 いや、驚いた。カミサンが薬疹に襲われた。
 わたしもだが、カミサンも夏風邪が長引き、せきがなかなか抜けない。ギャラリーカフェで働くカミサンは、お客さんもあって、ひどいせきが続くと気が気でない。
 東京にいたときから、カゼは耳鼻科に行くことにしていた。ハナが出て、それがのどに流れ、炎症を起こして、せきが出る。鼻やのどの炎症を抑える方法を持っているのは、耳鼻咽喉科である。いままで耳鼻科に行って、カゼはほとんど治っていた。
 東京の耳鼻科は80歳を超えたおばあちゃん先生で、治療法はやや旧式だったが、治療を受けると鼻の通りはよくなるし、処方してくれる薬はよく効いた。もう何年も通っていたので、こちらのからだのこともよく知っていた。薬は、先生自ら乳鉢を摺ってつくる粉薬と、症状のひどいときにくれる抗生物質がよく効いた。
 そんなわけで、まず近くの耳鼻科に行った。今度はおじいちゃん先生で、治療法も東京のおばあちゃん先生と同じ。治療は納得がいったのだが、薬が効かない。よくならない。
 おじいちゃん先生には、2度見てもらったが、よくならないし、抗生物質よりハナの薬がほしいのだが、それをくれない。もちろん要求したが、聞いてくれない。
 おじいちゃん先生はあきらめ、少し遠い耳鼻科に行ってみた。わたしは治っていたので、カミサンだけ治療を受けた。副鼻腔炎の疑いがあると、レントゲンを撮ったという。これはないんじゃないかと思うが、せきが続くと訴えたからだろう。
 簡単な診断と、吸入をして診療は終わり。処方された薬をみると、抗生物質、ハナの薬、せき止め、さらに気管支喘息の薬まであった。
 せきを止めたいと願うカミサンは、すべての薬を飲んだ。翌日は、それほど大きな変化はなかった。そして、二日目。朝起きてくると、全身は真っ赤になっている。ふれてみると少し固まりもある。丘疹である。現在、薬はすべて止め、安静にしている。
 全身が赤くなった状態は二日間続いている。知り合いの医師に相談したら、この状態がもう少し続くかもしれないという。
 明日、耳鼻科に行ってくわしく聞いてみたい。