あの、ちょっと、沖縄クライシスなどについて

 長寿遺伝子の原稿を書いている。遺伝子だけで1冊の本にするには、その研究過程をじっくり書く必要があり、そこはわたしの文化系の頭でなかなか理解することが及ばず、遺伝子の話に加え、どうすれば長生きができるかという話を入れている。
 そこで、調べていたら、沖縄クライシスという言葉があることを知った。沖縄の男性の平均寿命が国内で1995年に5位に2000年には26位に急落した。これを「沖縄クライシス」「26ショック」という。沖縄の男性の平均寿命が落ちてきたということは知っていたが。それを沖縄クライシスというのは知らなかった。
 女性に関しては、日本一であることは変わらないのだが、いったい沖縄の男性に何が起きたのか。30代、40代の男性の多くが心筋梗塞で亡くなったためといわれているが、原因は食生活とアルコール。ハンバーガーなどのアメリカ流のファーストフードを頻繁に食べるようになったことと、強いアルコールの摂取が心筋梗塞をまねいたのではないかといわれている。アルコールはもともと強かったと思われるから、食べものの影響が大きいだろう。
 沖縄長寿食といわれる、豊富な海藻や野菜、脂分の少ない良質の肉、こうした伝統食を一気にやめてしまったためといわれている。
 沖縄クライシスは、沖縄だけのことではない。確実に、本土にもやってくる。とくに、いまの20歳代、30歳代が危険だと思っている。
 30代の前半の人たちが食生活を立て直そうとしている。これをやりとげることができるかどうかで、日本の長寿世界一も決まってくるだろう。
 日本クライシスといって、世界中の学者が、日本人はなぜ早死にするようになったとか、研究する時代がすぐそこまでやってきているような気がする。