歯科医の世界。見たこと、聞いたことなど

むし歯・歯周病 もう歯で悩まない (ホーム・メディカ・ビジュアルブック)

　わたしが制作に関係した『むし歯・歯周病』の出版記念パーティにまねかれて出席してきた。パーティの出席者はほとんどが歯医者さんで、なかなか面白い経験だった。
　歯科の世界でも、予防に重点を置く先生は少なく、治療中心に診察をしてこられた先生方から、予防が成功して、患者さんがいなくなったらどうするんだ、という声も聞こえた。
　確かに予防に関しては、保険の点数も少なく、それで食べていくのはたいへん。しかし、良心的な歯科医は、何度も何度も治療にくる患者さんを前に、何かしなければいけないと思うはず。むし歯にならないために、歯周病にならないために、どんなことができるのか。
　むし歯も歯周病も感染症とわかったいま、どうすれば除菌ができるか。いろいろと手を打つことができる。
　厚生労働省も、予防へのカジを切った。病気の治療をしているうちは医療費を削減することがむずかしい。予防しなければ、医療費を抑えることができない。問題は、予防の成果をどのように確認していくか、である。
　これが見えないと、予防もなかなか前に進まない。