カスケードについて。知っていることなど

 カスケードとは滝のこと。滝にもいろいろあるが、よく公園などにあるもので、滝が何段にもなっているのがあるでしょう。
 あれをカスケードという。あんな滝のようなことがからだの中で起きている。それも、ほんのわずかな刺激によって起きている。
 たとえば、インスリンインスリンは、ホルモンのひとつで、そのシグナルを感知するセンサー、受容体が細胞膜にある。ひとたびこの受容体がインスリンを感知すると、からだの中でカスケードが起こる。
 つまり、次から次へたくさんのたんぱく質の合成が行われる。増殖カスケードいうのだが、小さな音を増幅するアンプが動き出す感じなのだそうだ。
 その結果、遺伝子が転写され、その中に長寿遺伝子も発現する。
 糖尿病になると、この遺伝子の発現が見られないために、100歳以上の糖尿病の人はいないらしい。
 インスリンに限らず、ホルモンは、大体こんな働きをからだの中でしているようだ。
 カスケードといわれたら、滝のように動き出しているのだな、と思ってもらいたい。しかし、はじめて、そんな働きを見た人はびっくりしたでしょうな。これも分子生物学の進歩のおかげ。
 いろいろなことがわかって、生きやすくなったのか、それとも生きにくくなったのか。