ちょっとした鎖国論

 きちんと論じるには、まだまだ内容を深めていないし、調べなければいけないことがたくさんあるのを承知で、こんなことを考えています。
 鎖国。江戸時代の300年の間、鎖国したので、日本人は深化した。絵画、焼き物、家具など、世界に誇れる日本文化は、江戸時代に完成した。これも、鎖国をしていたからで、よけいなことに気をとられず、自分たちも見つめ、深めることができた。
 江戸時代は、封建体制で、武士が刀という武器を持っていて、少々怖い時代ではあったが、文化は本当に花開いた。
 くらべて、明治以降、日本が世界に誇れるような文化を創り出しただろうか。
 
 江戸時代の末期に訪れた外国人が、江戸がたいへんきれいな街であることに驚いたという。当時、江戸と同じような百万人都市だったロンドンは、スモッグで汚れ、汚物にまみれた街だった。
 そして、暮らしている人は、慎み深く、穏やかだった。都市人口が多い割にはとげとげしさのないことにも驚嘆したという。
 
 勤勉で、慎み深く、人に対して寛容、といった日本人の美徳は失われてしまった。昨年、ブラジルの日系2世と人と親しくさせてもらったが、勤勉、実直という、古き日本人のよいところをもっていることに感心した。
 
 鎖国。これが日本人をよくするような気がするんですが。