細胞の死などについて
健康寿命を延ばす 老化を遅らせサクセスフルエイジングを (ホーム・メディカ・ビジュアルブック)
- 作者: 白澤卓二
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/07/25
- メディア: 大型本
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アポトーシスは、がん細胞のような細胞自体の変化にも対応しているが、あらかじめ決まった時期に決まった場所に起こるようにもプログラムもされている。これは生物の成長過程に見られる。ヒトの指は、最初はすべてくっついている。これがバラバラになっていくのは、指と指の間の細胞がアポトーシスしているからだ。
これらの死に加えたいのが、動かない状態。死んではいないが機能を止めている。こんな状態がある。休眠している。ネクローシスでもアポトーシスでもない。休眠状態というのがある。
ネクローシスもアポトーシスもコントロールすることがむずかしい。しかし、休眠状態になるのはコントロールが可能ではないかと思う。
SIR2遺伝子という長寿遺伝子がヒトもある。この遺伝子を発現させ、活性化させるのは、カロリー制限と運動が欠かせない。反対にいえば、カロリー制限や運動をしなければ、SIR2遺伝子は発現せず、長寿への道は開けない。つまり、この遺伝子は、普段は眠っているのではないか。
遺伝子を起こすという発想で考えると、細胞死をまねく遺伝子は常に起きているのだろう。さもないと、わたしたちは生きていけないから。細胞を眠らせておく遺伝子は、わたしたちのDNAの中に必ずあるに違いない。それはまだ寝ている。こいつを起こしてみたい。どうすればできるか、まだわからないが。