編集者のお仕事2

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 編集者のお仕事の2回目。わたしが編集者として仕事を始め、かつ修行をさせてもらったのが、講談社の鬼といわれた人の下である。少年マガジン週刊現代など、講談社の主要雑誌の編集長を務め、いくつもの雑誌を創刊してきた。その人は、週刊現代では「3S」というコンセプトをつくった。最初のSは「出世」のS、ふたつのSは「セイブ・マネー」、最後のSは「セックス」
 この3つは常に週刊現代のページになければならない。週刊現代の編集者なら、この3つのことをいつも考えろというわけである。
 企画で大切な言葉は、同じように3つの言葉である。「新・珍・奇」新しい、珍しい、普通ではない、これが企画の基本であると教えられた。
 企画会議は、雑誌の校了後、午前中に毎日開かれた。いい企画がでるまで、ということで制限がない。毎日少なくとも企画を10本出せといわれ、校了もたいへんだったが、企画会議のほうがつらかった。毎日のことだから、企画が浮かばない日もある。前もって調べておけ、といわれてもそんな時間もなかった。
 この地獄のような日々を過ごして、企画とは何かと徹底的にたたき込まれた。
 おかげで、いまも企画を作るのは好きだ。このときの修行は生きていると思っている。その割には当たらない企画もたくさん作ったが。
 いまでも勉強か。