さて、ほんのちょっと一段落

 昨年末から続いていた3冊2月同時刊行予定のうち2冊の見通しがたった。デザインも上がり、おおざっぱであるが、チェックが済み、これから先生方に再度確認してもらい、イラストをラフと本番の入れ替えをして、ゲラの校正をすませば、本になる。
 いや、たいへんだった。いつも2冊同時に刊行するスケジュールで編集するのだが、これにもう1冊加わっただけで、かなりてんぱった。
 さて、残りの1冊だが、私の書いた原稿に先生が校正を入れてくれたのが、ほとんど書き直し状態で、これを再度わかりやすくすべく、原稿書きに挑む。
 先生は先生なり自分の考えを書きたかったのだと思うが、いただいた校正は専門用語が多く、それを見ただけで一般の人はお手上げになってしまう。
 よく私も、「専門家の間ではこういう」と形で専門用語を紹介するが、その専門用語をそのまま使っていいというわけではない。使われている文字の感じから、ある程度想像がつくものはいいが、まったくなじみのない言葉を使っていけない。
 自分の意思で動くことを随意的に動くというが、これは意志の「意」が入っているのでかろうじて想像できるが、使っていい言葉ではない。筋肉を随意的に動かすといわないでしょう。
 筋肉に、遅勤、速勤という分け方があるが、私たちは筋肉を早いとか遅いとかという感覚でとらえていない。これも使っていい言葉ではない。
 専門用語でも、中学高校の教科書に出てくるものならまだいいが、医学の世界で使う言葉のほとんどは、はじめて出会うものばかりである。
 それをそのまま使っても、本当にお手上げになってしまう。どのようにいいかえれば伝わるか、せっかくいい内容の本だけに、わかりように伝えたい。また、格闘の日々がはじまる。