サロンにて

 近くに住む美術館館長さんのご自宅を訪ねる。
 昨年末に編集、原稿作成をした白澤卓二著『老いない、病気にならない、方法』(朝日新聞社刊)をプレゼントしたところ、長寿遺伝子に関して話をしてくれないかと招待されたからである。話を聞くなら、もう少し人数がいたほうがいいだろうと同じく近くに住む二組のご夫婦も招待された。このご夫婦も、わたしの友人である。
 薪ストーブのあるリビングルームでお茶を飲みながら話をした。イタリア、フランスに住んでいたことのある館長さんご夫妻は、彼の地でこんなサロンで高尚な話をしてきたのだろう。
 長寿遺伝子の話をかなり専門的になるので、長生きをするためにどのような日常生活を送ればいいのかという話をすることにした。
 話だけではおもしろくないので、長寿に関するNHKスペシャルを見、これからどのくらい長生きできるかという簡単なテストをしてもらって話を進めた。
 現在、長寿の条件として医学界で認められているのはカロリー制限である。カロリー制限、つまりダイエットなのだが、館長さんご夫妻は戦中派で、食べることが生きることだった時代を生き抜いてきている。そのために、食べものを制限することがなかなかできない。もったいないということもあって、残さず食べてしまうようだ。
 その結果、かなり太め。やせることを勧めるが、頭で理解しても体がついていかない。
 この日も私の話の終わったあと、食事になったが、食べるものがたくさん出てくる。私とカミさんは、前々日に少しおなかをこわしていたので、食べることはもちろん、飲むことも抑えた。それでもふだんより食べてしまったか。
 こんな山のなかで、いままで食べたことのないくらい美味しい牡蠣が出てくる。白ワインを何本も開け、赤ワインが登場し、しめにはウイスキーが出てくる。それを横目でじっとがまんの子であった。
 デザートとしていただいたお菓子が、ペニンシュラホテルのプリンやクッキーで、これも美味しい。
 美味しいものには、まいってしまう。そして、お開きとなったのだが、降り出した雪のため、私の車が雪にはまって動けなくなってしまった。4WDでないし、もちろん車高も高くない。スタッドレスタイヤを履いていても、小さい乗用車では、この雪では無理だった。
 館長さんの家の入り口近くに車を置いて、友人の車に便乗して帰ってきた。
 

老いない、病気にならない、方法

老いない、病気にならない、方法

 これが話題の本です。