ボストンのウニ

 先週、東京に校了をしに行ってきた。2月中に3冊出すのだが、そのうちの1冊は先生からの訂正もあまりなく、担当者にまかせてしまったが、眠りに関する本は著者がなかなか校正をくれなかったばかりか、かなりの直しがありますといわれ、著者から直接校正をもらい、それを校了紙に転記し、さらに全体を読み込んで校了をしてきた。
 担当者と1箇所ずつ点検しながら、校了作業を終えた。当日帰るつもりだったが、時間がかかってしまい、東京に泊まることにした。
 作業が終わり、食事でもしましょうと、神保町の寿司屋に行った。2年近く、その店に入ったことがなかったが、ご主人が私の顔を見るなり、「お久しぶりです。いいウニがありますよ」といった。
 前回、お邪魔したときに、その店のご主人から、ウニに関する講義を受けたのである。ウニは白いものと赤いものがあり、多くはみょうばんにつけられていること。みょうばんにつけておくのは、移送の最中に身が崩れるのを防げるかららしい。
 みょうばんの苦みのためにウニが嫌いなる人もいるくらいだが、これも鮮度がいいと多少防げるという。最近はみょうばんにつけないウニも出回っている。
 ウニは、蝦夷ばふんウニが最高級品と思っていたが、青森県大間産の紫ウニがうまいですよ、と前回教わった。大間は鮪だけではない。大間産のウニに注目しているの人はまだ少ないので、値段もそれほど高くなく、いいですね、という話だった。
 今回は、ちょっと食べてみてください、といわれて出されたのが、ボストン産のウニだった。紫ウニだが、日本のものより味がこってりしている。けっこううまい。
 お店にあるウニを小皿に盛って、少しずつ試食する。ばふん、紫、ボストン、少し時間の経ったものなど、それぞれ味が違う。ウニといっても、いろいろな種類があって、味わいがある。
 その店では、いろいろなウニを食べさせるということを、私がかつてウニに関していろいろ尋ねたことをきっかけにはじめたらしい。
 それで、いいウニがありますよ、と声をかけてくれたのである。
 お店は、神保町駅のすぐ近くにある。