ためになって面白い、面白くてためになる

脳梗塞』『眠りを治す』2冊の本が版元より届いた。『脳梗塞』のほうは、柔らかいオレンジ色でなかなかいい出来。病気の人、病気の人の家族をターゲットにつくった病気の絵本シリーズ。イラストを中心に、簡単に短時間で病気のことがわかるようにつくっている。
 これならクリニックの待合室ですっと読めるし、頭にも入るはず。ホーム・メディカビジュアルブックというシリーズ名だが、もっと端的に「病気の絵本」にすべきだったな、と反省する。病気の絵本といえば、内容に関してももっと違ったものに仕上がったかもしれない。タイトルによって、内容も変わってくる。だから、タイトルが重要なのだが。
 以前企画の話を書いた。その中で「新・珍・奇」が基準になると述べた。これは講談社の鬼といわれた人からの教えだったが、小学館天皇といわれた人は、「おや、まあ、へえ」を企画の基準といった。「面白くてためになる」は前者、「ためになって面白い」は後者。それぞれじっくり考えると微妙に違う。これはそれぞれの社風にも現れている。
 ためになって面白いもの、面白くてためになる、これらを求めて本を作っている。しかし、本当になかなか届かない。