足腰が丈夫というが、その実態は

 長寿者の中でも、「百寿者」といわれる、100歳を超えても自立した生活をし、活き活きと暮らしている人たちがいる。
 こういう人たちの体力年齢を『老いない、病気にならない、方法』(朝日新聞社発行)などのライターをしたときによく見たが、足腰の強さが共通していたことが印象に残っている。
 たとえば、三浦雄一郎さんのお父様で三浦敬三さんは、百歳を過ぎてもスキーを楽しんでおられたが、これも足腰が丈夫だったからである。また、同じく百歳を超え、日本舞踊の師匠をしていた板橋光さんも足腰の年齢は80歳代。ちなみに三浦さんの足腰年齢は60歳代だった。
 しかし、足腰の強さだけが百寿者に共通していることだろうか。じつは、バランス能力がかなり高かったのではないだろうか。
 よく考えてみると、スキーにしても日本舞踊にしても、バランスが非常に重要である。利き足ばかりでなく、非利き足にも体重をかける必要がある。その移動もスムーズに行わなければならない。まさにバランスよく、からだをコントロールできなければ、スキーも日本舞踊もできない。
 高齢者の転倒の原因は、バランス能力の衰えと関係があると思われるが、おふたりともスキーや日本舞踊のおかげで、転倒とは無縁だったようだ。三浦さんは転倒をして骨折しているが、これはスキーをしているときのこと。日常生活では転倒していない。
 さて、スキーや日本舞踊をしていないわたしたちが、バランス能力を鍛えるには、どんな運動がいいだろうか。
 バランスボールが適切ではないかと思っている。バランスボールに座るだけでもいいし、もちろんボールに座って体操をするのはもっといい。体操などでもバランスボールに変わるような運動を思い浮かべることができない。
 日ごろからバランス能力を鍛えるには、バランスボールをお勧めしよう。