高齢者のための国連の働き

 高齢者医療について、FM八ヶ岳で放送するので、いろいろ調べているときに、日本老年医学会のサイトを見て感心したことがある。
 まず、老年医学会の基本的立場というものを読んでいたら、国連の「高齢者のための5原則」に乗っ取って活動するとあった。
 国連の「高齢者のための5原則」を調べたら、これは1991年の国連総会で、「高齢者のための国連原則」というものが討議され、採択されている。各国政府は、この5原則を自国のプログラムに組み入れるよう、奨励されているのだ。
 その内容は、自立、参加、ケア、自己実現、自己管理、尊厳の5つの項目からなっている。自立は、収入や、家族・共同体の支援及び自助努力を通じて、十分な食料、水、住居、衣服、医療へのアクセスをえるべきであるとある。参加は、社会の一員ととして、自己に直接影響を及ぼすような政策の決定に参加し、若年世代と自己の経験と知識を分かち合うべきであるとしている。ケアは、いかなる場所に住み、あるいはいかなる状態にあろうとも、自己の尊厳、信念、要求、プライバシー及び、自己の介護と生活の質を決定する権利に対する尊重を含む、基本的人権や自由を享受できるとある。自己実現は、自己の可能性を発展させる機会を追求できるとある。尊厳は、年齢、性別、人権、民族的背景、障害などにかかわらず公平に扱われ、自己の経済的貢献にかかわらず、尊重されるべきであるとある。
 抜粋なので、そのすべてではないが、高齢者に対する心構えと実際に行うべきことが、きちんと記されているのである。
 この国連の「高齢者の5原則」を日本も採択したのだろうか。
 以前、患者の権利を調べていたときに、世界医師会での決議に「患者の権利に関するリスボン宣言」というものがあり、そこで患者の権利は守られていることを知って驚いたが、国連のこの5原則もぜひ守っていかなければ、ならない。