静かな日々のはずが

 今日からいよいよ仕事始め。
 正月は、息子夫婦、娘が帰ってきていたので、にぎやかな日々だった。彼らも帰り、カミさんと義父の静かな日々が訪れるはずだったが、昨年の暮れから義父の様子が少しおかしい。
 うっすらと積もったベランダの雪を掃きまくるほど、元気だったのに、腰が痛いといいはじめ、寝ていてもいいかといって、ベッドに横になっている。
 足元が多少おぼつかなかったが、それでもしっかり歩いていたのに、誰かの助けがないと歩けないような雰囲気になっている。手を支えてあげると歩くのに、誰かの支えがないと何とも心細いような顔をする。
 ほんの1週間前まで、きちんとできていたことがまるでできなくなっている。
 洋服の着替え、トイレなど、日常の生活はまさにおぼつかない。
 そんなに腰が痛いのなら、お医者さんに行きましょうかというと、医者に行っても年だからといわれるくらいだからと、頭を縦に振らない。
 自宅の近くを散歩していたのだが、ほんのわずかの段差を足が上がらなくなり、家の前が砂利道だけに少し歩いただけでもうけっこうという感じ。歩くのも本当は行きたくないという素振りである。
 この急激な衰えに驚いてしまう。
 もし、ひとりで生活をしていたら、誰も近くに助ける人がいなかったら、自分でやるしかないとがんばるのだろうか。それとも、94歳の超高齢になると、こうした急激な変化が訪れるのは仕方のないことなのだろうか。
 アンチエイジングの本を作ったが、こうしたことに対する答えはない。
 アルツハイマー病が進んでいるのだろうか。
 
 高齢者が病院にいったほうがいいか、様子をみていても大丈夫なのか、それを調べるチェックリストをつくってほしいといわれたが、子どもと違って、生活習慣が一人ひとり違うし、さらにどんな病気をもっているか、いままでどんな生活を送ってきたかなど、個人個人によって著しく異なるために、救急チェックリストの作成がたいへんむずかしい。
 
 最近の義父の状態をみていると、むずかしいことがよくわかる。