おうい雲よ

 雲ひとつない冬の青空が広がっている。

 そこで、山村暮鳥(やまむらぼちょう)の詩。
 
 おうい雲よ
 ゆうゆうと
 馬鹿にのんきさうぢやないかどこまでゆくんだ
 ずっと磐城平(いはきだひら)の方までゆくんか

 いいな。こんな感じで生きていければ。

 和室に父の篆刻が飾ってある。この家を建てたときにもらった。

 瑞雲(ずいうん)

 と彫ってある。書ももちろん父の筆である。これがなかなかいい。
 カミさんが、墓石にこれを写してもらおうといっている。
 賛成。
 東京にある墓には、義理の母が眠っている。
 わたしは次男で、カミさんも二女で墓をもっていない。
 いずれカミさんもいっしょに、その墓に入ろうと思っている。
 そこで、いまある墓石名を変えようという話である。

 ちなみに瑞雲とは朱色の雲で、おめでたいことが起こる前兆である。