ソーシャルワーカーのいる病院

 医師や看護師とも異なり、患者の立場に立って、入院中はもちろん、退院後の生活を視野に入れ、活動するソーシャルワーカー。さまざまな問題を患者や家族とともに、行政や病院と交渉を続ける。
 ソーシャルワーカーは、貧しい労働者階級の対応策を示すことから誕生した。日本で初の医療ソーシャルワーカーは、聖路加国際病院で生まれた。アメリカで学んだ女性がソーシャルワーカーとしての仕事に就いたという。
 静岡がんセンターでは、患者からのあらゆる相談業務を担当し、患者の話から、医師に対し、病状に対してもっとわかりやすく、丁寧に説明してほしいというようなこともある。患者と医師や看護師との橋渡しもしてくれる。
 先日、ある病院でソーシャワーカーにあった。義父のことで医師から紹介されたのだが、こちらの話をきちんと聞いてくれた。入院する前、自宅ではどのような介護をしていたのか、そのときの義父の状態などを聞き、カミさんに「たいへんだったでしょう」といってくれた。
 カミさんもわたしもその一言がうれしかった。
 これからのことを、わたしたちの希望を入れ、もちろん患者である義父の希望も入れ、双方が無理のない状態で介護を続けていくために、何が必要なのか、何ができるのかを説明してもらった。
 義父の見舞いに行ったところ、リハビリをしましょうと理学療法士がやってきた。リハビリ室まで行くまでの間に、ご自宅は階段があるんですよね、と話しかけられた。先日、ソーシャルワーカーと話したことがすでにきちんと伝わっている。これもうれしかった。
 いい病院を選んだなあと思った。
 家族だけでがんばっていないで、病院に連れていらっしゃいといってくれた院長にも感謝である。