戒名不要 香典無用

 葬式無用 香典無用かもしれない。
 義父の葬儀である。
 僧侶も牧師も呼ばない。
 家族だけで送ること。
 無宗教で葬儀は行うこと。
 これが義父の遺言だった。

 その通りにした。
 送る人が思い思いの気持ちで送ればいい。
 それを強制しない。
 仏教で送る、キリスト教で送る、神道で送る、逝った人への思いで送る、
 人それぞれである。
 
 これがよかった。

 残された家族も思いがちがうだろう。
 わたしはわたしの思いで送った。

 惜しむらくは、その思いを集まった家族全員とは共有できなかったこと。
 これも致し方ない。


 人は違うから。
 違うからこそ、いる意味がある。
 そんなことも知った。