30兆円

 仕事で日本胃癌学会のサイトを見ていたら、『日本の医療費』というサイトがあって、なんとなくクリックしたら、それは、外科系学会社会保険委員会連合というサイトで、おもに日本の外科系の学会が加盟している。この団体は、保険診療報酬点数が、どのような根拠で決まっているのかを明らかにしていきたいという目的で設立されたようだ。日本の診療報酬の点数は、どのように決まるのか、まったく明らかにされていない。医師の立場から見ても、あまりにも安くて採算がとれないものもあるし、反対にずいぶんと高いものがあるという。
 その日本の医療費というサイトで読んでいたら、薬剤の価格が諸外国とくらべてもずいぶんと高いと述べている。もちろんすべてではないのだろうが、その一例として、不整脈に使われる薬が日本では1錠あたり90.5円なのに対し、イギリスでは14.3円、アメリカで66.8円と紹介されている。まったく同じ薬なのに、値段がこんなに違うのはなぜだろう。輸入品だからなのか。
 このサイトでは、厚生労働省が保険で決めている日本の薬価は世界一高いといっている。
 薬だけでなく、医療機器も同じように日本では高いようだ。
 医療費に含まれる薬剤の比率は日本は3割を超え、ドイツやイギリスの約2倍である。これはあくまでも価格ベースの話だから、日本での薬の値段が高いという証拠にもなる。
 ジェネリック医薬品をけんめいに使いましょうと喧伝しているが、もともとの薬の値段が高すぎるのではないだろうか。
 日本の医療費は、30兆円を超えている。年々増える一方だが、薬の値段そのものを検討するのはいかがだろう。
 そして、それはどのように決められているのか、知りたいものだ。