「シッコ」を見て

 先日、マイケル・ムーア監督の『シッコ』をまた見た。これで3回になるのが、アメリカの医療保険事情がじつによくわかる。まだ、ブッシュが大統領をしているころの映画だが、現在もアメリカが何も変わっていないことに驚く。
 オバマ大統領に代わり、公的な保険の導入を試みているが、なかなか進まない。
 自分のことは自分で守る、他人のことは知ったことではない、という風潮はなくならないようだ。
 先日、アメリカから帰ってきた知り合いが、「公的保険の導入はむずかしいかもしれない」といっていたが、国民性といってしまえば、それまでだが、イギリスやフランスの医療保険の状況とあまりにも違う。
 日本の健康保険の状況も必ずしもいいとはいえない。このままでいけば、かなり危ういところにいきかねない。
 自分たちはいいと思っているかもしれないが、その付けは必ず次の世代に現れる。
 アメリカのようになっては絶対にいけない。
 もし、窓口医療費が無料のフランスやイギリスで、窓口負担がはじまったりしたら、国民は政府に一斉に「ノー」を突きつけると『シッコ』のなかでもいっていた。
 国民が政府に「ノー」を突きつけることが重要なのだ。
 今回の選挙は、政府に「ノー」を突きつけた。
 それをきちんと受けとめてくれるかが、問題だが、変わることを期待しよう。
 変わらなかったら、また「ノー」を突きつけることだ。