承認を急いでほしい薬

 ペラミビル。これがその薬である。
 ペラミビルは、ウイルスの増殖を防ぐ働きがあり、アメリカの製薬会社によってインフルエンザ用の抗インフルエンザ薬の筋肉注射薬として開発された。
 日本の製薬会社が、点滴薬として作り直し、日本、韓国、台湾で臨床試験が進んでいた。
 ペラミビルは、1回の点滴でタミフルを5日間投与した同じくらいの効果がある。
 新型インフルエンザは、重症化するスピードが速く、これが季節性のインフルエンザと大きく異なる。
 重症化した場合、経口薬であるタミフル、吸入薬であるリレンザより、ペラミビルは点滴で投与できることがいい。
 そのペラミビルが、厚生労働省に承認の申請をした。


 タミフルを早期に投与すべきとした日本感染症学会の提言を支持したが、ペラミビルの承認も急いでもらいたい。
 いまの新型インフルエンザウイルスが、タミフルの効かないウイルスに変異する可能性は高い。
 新たな抗インフルエンザ薬として、ペラミビルの存在は大きい。
 ただし、できるだけペラミビルに対しては、できるだけ薬剤耐性ができないようにする必要がある。重症化した際に、効果を発揮する薬はまだないからだ。
 

 ペラミビルは、2006年に米国医薬品局(FDA)から、承認を急ぐべき薬のひとつして指定を受けている。